Q&A

【不動産登記】

Q.不動産登記とは何ですか。

A.不動産登記とは法務局(登記所)に記録された不動産(土地・建物)の情報です。
 これらの情報は法務局で一般公開され、権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし、取引の安全と円滑をはかる役割をはたしています。
 不動産登記には大きく分けて『表示に関する登記』と『権利に関する登記』があります。
 『表示に関する登記』は不動産の状態を表すもので、不動産の所在場所や面積等の記載がされています。これらの登記は土地家屋調査士の専門分野です。
 『権利に関する登記』はその不動産の権利関係を表すもので、所有者が誰であるか(所有権)、住宅ローン等が設定されているか(抵当権)等の記載がされています。
 これらの権利関係の申請代理をするのが私たち司法書士です。

 

Q.登記簿の自宅所在地と住所の表記が異なっていますが、なぜでしょう。

A.登記簿に記載されている「所在」は地番です。
 地番は1筆の土地ごとに登記所によって付けられた番号です。住居表示が実施されていない地域ではそのまま住所として使われることがありますが、「●丁目●番●号」等の住居表示が実施されている地域では「所在」と「住所」が異なることがあります。

 

Q.不動産登記はなぜ必要なのですか。

A.不動産の売買で所有権を取得した場合、『登記』して自己名義に変更しないと第三者に対して自分が所有者であることを主張することができません。
 民法177条で規定されている第三者対抗要件と呼ばれるものです。登記が効力要件となっている条文もありますが、基本的には先に登記をした者が勝ちと覚えておくと良いです。
 このように一般的に『登記』とは権利を主張するために必要なものであるといえます。

 

Q.住宅ローンを完済したのですが何をすればよいのでしょうか。

A.所有物件に設定されている抵当権の抹消登記を申請する必要があります。
 完済すると金融機関から①登記原因証明情報(抵当権解除証書等)、②抵当権設定契約書(登記所の受付印が押印されたもの)または登記識別情報通知、③委任状等の抹消登記用書類をもらえます。
 これらの書類を使ってご自身で登記するか、私たち司法書士に依頼して抵当権を抹消します。

 

Q.法律の改正で権利証がなくなったと聞いたのですが。

A.法務局(登記所)がオンライン指定庁に指定された後に所有権の名義を変える登記を申請した場合、原則として、従来の紙の権利証は発行されず、代わりに『登記識別情報』という暗証番号が発行されることになります。『登記識別情報』は数字とアルファベットの12桁の組み合わせで構成されています。
 この情報が他人に知られてしまうと従来の紙の権利証を盗まれたのと同様の効果が生じてしまうので注意が必要です。すでに発行されている権利証は将来にわたって有効な重要書類ですので大事に保管して下さい。

 

Q.権利証を失くしてしまったのですが、再発行してもらえるのでしょうか。

A.再発行されません。従前は保証書を作成することで権利証に代えることができましたが、法律の改正により保証書制度は廃止されました。
 権利証や登記識別情報を必要とする登記を申請する場合、事前に司法書士等の資格者代理人が当事者に面談して『本人確認情報』という書類を作成して権利証や登記識別情報に代えるか、事前通知制度によることになります。
 本人確認情報による場合は別途費用が掛かりますので権利証等を失くさないように注意しましょう。

 

Q.事前通知制度とはどのようなものですか。

A.登記義務者が、正当な理由により登記識別情報や登記済証を提供できない場合に利用することができる手続きの一つです。
 登記官が事前通知により登記義務者本人に登記申請内容が真実のものであるか確認することで登記することができます。
 この制度は案件によっては実務上利用できないケースもありますのでご相談下さい。

 

Q.相続登記とは何ですか。

A.不動産の名義人(所有者)が亡くなったときにする「不動産の名義変更」のことです。
 ある人が亡くなった場合、その財産の所有権は、相続人に移転します。その財産の中に土地や建物などの不動産がある場合、法務局でその名義変更(所有権移転)の手続をすることになります。
 この名義変更の手続のことを相続登記といいます。

 

Q.相続登記はいつまでにしなければならないのですか。

A.相続税申告(10カ月以内)とは異なり、相続登記を申請する期限は定められていません。
 また、相続登記をせずに放っておいたとしても、罰則などはありません。しかし、相続登記をせずに、不動産の名義が亡くなった方のままの場合は、その不動産を売却することや担保に入れることはできません。また、相続登記をせずに長期間放っておくと、相続人が亡くなる(つまり、さらに相続が発生する)などして、遺産分割協議に加わる人の数が増え、協議がまとまりにくくなることがあります。
 以上の理由から相続登記は早めにしておくのが好ましいでしょう。

 

【商業登記】

Q.株式会社を作るのに資本金が足りません。

A.資本金が1円でも株式会社を作ることができます。
 これまでの商法では株式会社につき最低1000万円の資本金が必要でした。しかし、平成18年5月施行の会社法により最低資本金制度が廃止され、株式会社を設立する際の資本金は1円以上あればよいことになりました。定款認証費用や登録免許税はこれまでと同様に必要です。
 株式会社のほかにも設立費用を低く抑えることができる合同会社もありますので、ご相談ください。

 

Q.合同会社とは何ですか。

A.会社法の施行により新たに設けられた会社形態です。
 株式会社と比較して、公証人の定款認証が不要である点や最低登録免許税額が低額である点から、初期の設立費用を抑えることができます。

 

Q.有限会社がなくなったと聞いたのですが。

A.会社法の施行により有限会社法が廃止され、以後、有限会社を設立することができなくなりました。
 既存の有限会社は株式会社の一形態である『特例有限会社』として今後も継続することができます。株式会社の一種ですが、決算公告が不要である、役員の任期がない等の有限会社特有の規定があります。

 

Q.ローマ字を使った会社を作ることはできますか。

A.平成14年の商業登記規則等の改正により、ローマ字、アラビヤ数字、「&」(アンバサンド)、「‘」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「‐」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点)を用いることができるようになりました。符号については字句を区切る際に使用する等の制限があります。

 

Q.同じ市内にすでにある会社と似た名前の会社を作りたいのですが。

A.これまでは同種の目的の会社が同一市町村内で類似の会社名を使うことはできませんでした。これを『類似商号の禁止』といいます。
 会社法では類似商号禁止の規定が廃止されたので、会社の住所が同じでなければ同一または類似の会社名を使うことができます。ただ、不正な目的で他社と同一の会社名を使った場合は、使用停止の請求を受ける可能性があります。

 

Q.株式会社の役員の任期を伸ばすことができると聞きました。

A.一定の要件を満たせば株式会社の役員の任期を最長10年まで伸ばすことができます。登記簿に①株式の譲渡制限の規定が設定されている、②委員会等設置会社の規定がない、等の会社は役員任期伸長の定款変更をすることにより任期を伸ばすことができます。任期を伸ばすために登記簿の内容変更をすることもできますので、ご相談ください。

 

【成年後見】

Q.成年後見制度とはどのようなものですか。

A.認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分でない本人について、本人の権利を守るために家庭裁判所が成年後見人等を選んで法律的に支援する制度です。
 成年後見制度には大きく分けて法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。

 

Q.法定後見制度とはどのようなものですか。

A.法定後見には本人の能力の程度に応じて後見、保佐、補助の3つがあります。
 本人が物事を判断する能力が十分でなくなったときに家庭裁判所に対して後見等開始の申立をすることにより後見人等が選任されます。申立人は申立の際に後見人等の候補者を選ぶことができますし、裁判所に後見人等の選任をお任せすることもできます。ただし、事案によっては候補者が選任されず、裁判所指定の第三者になることがあります。

 

Q.任意後見制度とはどのようなものですか。

A.本人が元気なうちにあらかじめ公正証書で作成した任意後見契約に従って、本人の判断能力が不十分になったときに任意後見人が本人を支援する制度です。
 家庭裁判所が任意後見人を選任することにより、任意後見契約の効力が生じます。本人が認知症にならずにお亡くなりになった場合は任意後見が開始されることなく終わることもあるので、万が一の将来に備えた保険のようなものと考えればよいでしょう。
 法定後見制度に比べて、本人の意向を組み入れて柔軟に支援内容を決定することができる一方、任意後見人には取消権がない等のデメリットがあります。

 

【遺言】

Q.パソコンで遺言を作りました。この遺言は有効ですか。

A.遺言は無効です。自分で遺言を作る場合は、紙に遺言の内容をすべて手書きし、日付、氏名を書いて押印しなければなりません。これを自筆証書遺言といいます。
 自筆証書遺言は費用をかけずに何時でも作れますが、要件や法律を理解して作らなければ無効や紛争になる危険性があります。また、文言を訂正する場合にも厳格な訂正方法があり、方式不備で無効になることがあります。
 また、遺言書を発見した人が家庭裁判所で検認手続きをする必要があります。これらの不備を補う方法として公正証書遺言があります。

 

Q.公正証書遺言とは何ですか。

A.公証役場で公証人に作成してもらう遺言です。公証人が関与するので方式不備で無効になることがありません。また、検認手続きをする必要もありません。自筆証書遺言に比べて費用がかかる点がデメリットです。

 

【債務整理】

Q.債務整理とはどのようなものですか。

A.多重債務で困っている方を救済する手続きの総称です。
 債務整理には大きく分けて①自己破産、②個人再生、③特定調停、④任意整理があります。
 ①から③は裁判所を利用する手続きです。④は弁護士や認定司法書士が裁判外で債権者と交渉して和解する手続きです。また、利息制限法の上限利息で引き直し計算をした後に払い過ぎていることが分かった場合には債権者に対して過払い金の返還を請求します。
 これらの手続きはそれぞれの長所と短所がありますので、その人の状況に応じて最適な手続きを選択することになります。

 

Q.自己破産すると借金がゼロになるのですか。

A.破産決定を受けただけでは、借金はゼロになりません。破産決定とは、支払不能の状態を宣言されることです。ゼロにするにはその後に免責決定を受ける必要があります。

 

Q.自己破産すると選挙権がなくなったり、戸籍に記載されたりするのでしょうか。

A.そのようなことはありません。官報という国が発行する広報誌で公告されますが、一般の人に知られることはまず無いといってよいでしょう。ただ、資格制限というものがあり、国家資格や一定の職種(Ex.警備員・生命保険の外交員等)についていた人が破産をすれば、その資格や職を失いますが、免責決定を受けることにより復権します。

 

Q.債務整理するとブラックリストに載ってしまうのですか。

A.金融機関やサラ金等の各団体が組織する信用情報機関に登録されます。これがいわゆるブラックリストとよばれるものです。
 借金がゼロになってから5~10年間は情報が保存されるようです。カードが作りにくくなったり、ローンが組めなくなったりする等のデメリットがありますが、借金をゼロにして生活を再建させるわけですから通常の生活を送るうえで特に支障はないでしょう。
 ブラックリストに載っている人を対象にお金を貸すヤミ金等の悪質業者もいるので、絶対に借りないようにして下さい。

 

Q.任意整理とは何ですか。

A.任意整理とは、裁判所などの公的機関を利用せずに、弁護士や認定司法書士が依頼者の代理人となって消費者金融等の貸金業者と交渉して、無理なく支払える方法を合意したうえで和解するという手続きです。
 当事務所から受任通知という書類を登録貸金業者に送付すると、貸金業者は依頼者への取立てができなくなります。

 

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Q.不動産登記とは何ですか。

A.不動産登記とは法務局(登記所)に記録された不動産(土地・建物)の情報です。
 これらの情報は法務局で一般公開され、権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし、取引の安全と円滑をはかる役割をはたしています。
 不動産登記には大きく分けて『表示に関する登記』と『権利に関する登記』があります。
 『表示に関する登記』は不動産の状態を表すもので、不動産の所在場所や面積等の記載がされています。これらの登記は土地家屋調査士の専門分野です。
 『権利に関する登記』はその不動産の権利関係を表すもので、所有者が誰であるか(所有権)、住宅ローン等が設定されているか(抵当権)等の記載がされています。
 これらの権利関係の申請代理をするのが私たち司法書士です。

 

Q.登記簿の自宅所在地と住所の表記が異なっていますが、なぜでしょう。

A.登記簿に記載されている「所在」は地番です。
 地番は1筆の土地ごとに登記所によって付けられた番号です。住居表示が実施されていない地域ではそのまま住所として使われることがありますが、「●丁目●番●号」等の住居表示が実施されている地域では「所在」と「住所」が異なることがあります。